ペルーといえば、雄大なアンデスの山々を具現する「コンドルは飛んでいく」の哀愁を帯びたメロディーがあまりにも有名です。しかし、フォルクローレと俗にいわれるペルーの民族音楽・舞踊には、ドラマチックなペルーの歴史と文化に裏打ちされた実に多様な局面があります。
ペルーの民族舞踊や音楽は、山間部のアンデス地方とリマを含む海岸地方とで若干趣を異にします。スペインによる侵略以前のアンデス地方では、音楽と踊りは豊穣や収穫の祭りや神聖な儀式などで、神への感謝の意として神に捧げるものでありました。この伝統は細々ながら現代にも脈々と受け継がれ、南米三大祭とひとつに数えられるインティライミの祭りなどとして知られております。
ではリマを含む海岸地方はというと、スペインによる植民地支配時代にスペインをはじめとするヨーロッパ全土から支配階級として白人が、遥かアフリカからは奴隷として黒人が入植し、ヨーロッパのワルツやポルカとアンデス古来の民間伝承音楽にアフリカの黒人音楽が融合して、クリオージャ音楽・舞踊という混合・融合文化が生まれ、花咲きました。
クリオージャ音楽や舞踏の代表が、ペルーを代表する民族音楽・舞踊でもあるマリネーラです。これは数組の男女がペアになって踊り、恋の駆け引きあり喜びありと、躍動感溢れる踊りです。女性が長くて重たい(重たく見せないように軽やかに踊るので見ているものにはわかりませんが・・・)スカートの裾をひらひらとさせ、また片手で白いハンカチを巧みに動かしながら相手の男性を誘惑する動きが、とておきゃんでコケティッシュです。また相手の女性を射止めようと軽やかにステップを踏む男性の動きにも目が離せません。
マリネーラの男女による躍動感溢れる踊りを見ていると、恋が実るか実らないか・・・その駆け引きを繰広げているときが後になって振返ると一番楽しい時だったという、「恋の法則」は普遍的なものなのだと改めて気づかされます。
しかし、マリネーラの舞踊の元になったスペイン統治時代の黒人の舞踊は、その反対に明るさの中にも痛切な哀しさを帯びたものでありました。アフリカから奴隷船で連れてこられた黒人たちは、海岸地方を中心に大農園の労働の担い手である奴隷として、過酷な重労働を課されます。黒人たちが強制労働のさなか遥かアフリカの大地を思い出しながら束の間踊ったサンポという悲しみの踊りが、我々が今日に見るマリネーラの源といわれています。マリネーラの踊りでは必ず女性がハンカチを片手にしていますが、黒人たちがサンポの踊りの最中に故郷に思いを馳せ、また強制労働の辛さを思い、不覚にも流した涙を拭くためにハンカチを片手に踊っていた名残ともいわれています。
ペルーには現在はアフロペルアーナと呼ばれる黒人が全人口の1%未満ですがイカ地方を中心に暮らしています。奴隷として連れてこられた黒人たちの哀しみと華やかなマリネーラにペルーの歴史を感じながら民族音楽・舞踊ショーをご覧いただくと、より深く違う角度からペルーという国の文化に触れることができるのではないでしょうか?
Junius (Add. Jr. Independencia 125 Miraflores Tel. 617-1000)
Hotel El Pardo 内のレストラン。火・木・日 19:30−22:00 金・土 19:30−23:00
La Dama Juana (Larco Mar, Local 506 Miraflores Tel. 447-3686)
ラルコマルショッピングセンター内にある。月〜土20:30−22:00
Sachun (Add. Av. Del Ejercito 657 Miraflores Tel. 441-4465)
火〜土曜日までショーが行われている。火〜木21:30−02:00、金・土22:00−04:00
BRISAS DEL TITICACA (Add. Jr. Wakulski 168 Lima Tel. 332-1901)
火〜土曜日までショーが行われている。火・水20:30−24:00、木21:00−02:00、金・土20:00−04:00
La Candelaria (Add. Av. Bolognesi 292 Barranco Tel. 247-1314)
毎週金・土23:00−03:00頃まで。マリネーラなどの踊り中心。お客様が踊る時間帯もあり(結構長い)、踊りたい方にはお勧め。
La Estancia de Barranco (Add. Av. Pedro de Osma 112 Barranco Tel. 477-5030)
火〜土曜日までショーが行われている。
Hotel Sheraton (Add. Paseo de la Republica 170 Lima Tel. 315-5000)
ホテル内のレストランで毎週金曜日にショーが行われる。21:00−23:00。
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